授業料無償が実現しても高校教育を受けられない青少年をつくる高校の統廃合は許せません。
今日12月6日は、埼玉県教育委員会が11月に発表した「県立高等学校の後期再編整備計画」(案) に対する意見募集の締切日でした。あわや出しそびれるところでしたが、早朝に気がついて下記のような意見をメールで送りました。(管理人)
高校再編計画を見直し、これ以上の高等学校の統廃合と夜間定時制高校の統廃合をやめること。
再編計画によりこれまでおこなわれてきた高校統廃合・夜間定時制高校の統廃合の結果について、十分検証されているとは考えられない。後期計画の前に、まずこれまでの結果について県民から丁寧に意見を聞くべきである。
高校教育を受ける最後の拠り所であった定時制高校も定員オーバーで入学できない少年たちが生まれていることが先日の朝日新聞でも報道された。埼玉県も同様で、入学できない少年が出て来ている。クラス定員いっぱいの過密な教室での授業の問題も言われている。「生き生きハイスクール」「絆を深める教育」のスローガンのもとで高校教育を受ける機会を失う青少年があってはならない。
高校の統廃合で、遠距離通学を余儀なくされ、通学費にお金がかかる、部活動で帰宅が遅くなる、などかつてはなかった大きな負担を強いられている家庭も少なくない。
これ以上の統廃合をやめ、すべての学校で30以下学級を早期に実現させることこそが求められている。
《資料》
県立高等学校の後期再編整備計画 (案)
2009年11月埼玉県教育委員会
1 幸手商業高校と幸手高校の統合
幸手商業高校と幸手高校を統合し、新たな高校(仮称:幸手新校) を現在の幸手商業高校
に設置する。
○ 開 校=平成25年度 全日制課程の商業系を主とする総合学科とする。
2 大井高校と福岡高校の統合
大井高校と福岡高校を統合し、新たな高校(仮称:大井新校) を現在の大井高校に設置す
る。
○ 開 校=平成25年度 全日制普通科及び体育に関する学科とする。
3 豊岡高校と入間高校の統合
豊岡高校と入間高校を統合し、新たな高校(名称: 豊岡高校)を現在の豊岡高校に設置す
る。 (同一市町村内の統合、かつ課程及び学科に変更がない)
○ 開 校=平成25年度 全日制課程の普通科とし、単位制を導入する。
入間高校は、平成22年度入学者選抜まで生徒募集を行う。
4 本庄高校と本庄北高校の統合
本庄高校と本庄北高校を統合し、新たな高校(名称: 本庄高校)を現在の本庄高校に設置
する。 (同一市町村内の統合、かつ課程及び学科に変更がない)
○ 開 校=平成25年度 全日制課程の普通科とし、単位制を導入する。
本庄北高校は、平成22年度入学者選抜まで生徒募集を行う。
5 吉川高校(全日制・定時制)と草加高校(定時制)の統合
吉川高校の全日制及び定時制、草加高校の定時制を統合 し、新たな高校(仮称:吉川高校)を現在の吉川高校に設置する。
○ 開 校=平成25年度 一部(午前〜午後)、二部(夜間)の二部制による定時制課程の総合学科とする。
吉川高校の全日制課程は、平成22年度入学者選抜まで生徒募集を行う。
吉川高校の定時制課程及び草加高校の定時制課程は、平成24年度入学者選抜まで生徒募集を行う。
6 玉川工業高校
○玉川工業高校を平成24年度末に閉校する。
平成22年度入学者選抜まで生徒募集を行う。
7 幸手商業高校定時制、松山高校定時制)、児玉高校定時制
○幸手商業高校、松山高校及び児玉高校の各定時制を平成25年度末に閉校する。
平成22年度入学者選抜まで生徒募集を行う。
8 和光国際高校
○和光国際高校の情報処理科を平成23年度に普通科に転換する。
普通科及び外国語科とする。
9 与野高校
○ 商業科を普通科に転換。 普通科の理数コースの生徒募集を停止する。
平成23年度から一括、普通科とし、全日制普通科とする
(参考資料)
県内中学校卒業者数の動向と適正な学校規模
1 県内中学校卒業者数の動向
県内中学校卒業者数は、平成元年3月にピークを迎え115,584人であったが、その後、 急減し、平成18年3月にはボトムの63,983人、ピークの55.4%となった。
平成18年1月の「義務教育人口推計結果報告書(平成18~23年度)」などに基づくと、 県内中学校卒業者数は、平成22年に一時的に増加して約67,400人となるが、平成23 年には再び減少して約64,700人になると見込まれている。さらにこの報告書などに基づ き、平成23年以降の中学校卒業者数を予測すると、小さな幅での増加・減少を繰り返しなが ら推移し、平成25年には、約65,000人になると推計される。
今後の県内中学校卒業者数の動向については、首都圏に位置する本県の地理的状況などを考 慮し、慎重に見守る必要がある。
※ 県内中学校卒業者数は、平成21年度までは実績値、平成22年度以後は推計値である。
2 適正な学校規模
生徒数の減少に伴い、学校の小規模化が進むと、多様な教育課程の編成が困難になったり、 学校行事などの特別活動や部活動の活力が低下したりするなど、学校運営上の課題が生ずる。 学校の活力を維持する観点から、一定の学校規模を確保することにより、各学校の活性化を進める。
学校規模については、1学年当たり
・普通科高校 320人〜240人(8学級〜6学級) ・専門高校 240人(6学級)
・総合学科高校 320人〜240人(8学級から6学級) を標準とする。